『出会いの形‥✨』真編!

 

−−−体育祭当日。

 

真はクラスメイトと道が出場する200m走を見ていた。

 

(おっ‥次、道じゃん。‥まぁーあのメンツなら余裕で道が1着だろ‥1人陸上部の奴が混じってるがあいつは長距離の選手だから問題ない。)

 

真は小学から道の足の速さをズバ抜けていた事を誰よりも知っている。道が1着になるのは確信を持っていた。

 

 

‥ヨーイ‥パン!

道の組がスタートした。

 

(‥めっちゃ真剣っていうか死にそうな顔してんじゃん。‥やっぱ、あいつ速いな〜‥あいつが帰宅部とか勿体ないわ〜。)

 

‥真の予想通り道は1着でゴール。しかし道は仰向けになり、倒れていた。

それに真は観客席から駆け寄る。

 

真ゞ「‥おい!大丈夫か?」

 

道ゞ「‥死ぬ‥水‥。」

 

真ゞ「‥オケ!ちょっと待ってろ!‥てか、やっぱお前その足の速さは帰宅部になっても健在やな。」

 

道ゞ「‥‥オェッ‥。」

 

(流石に帰宅部に200mはキツいよな‥まぁーこいつが昨日くじ引きでハズレ引いたからしゃあねぇけど。)

 

‥その後、真の肩を借り道は自身の観客席に無事戻った。

 

 

 

−−−真も高校生活最後の体育祭を終えた。

 

‥真は自身の教室に戻っていた途中グランドに八巻を忘れた事に気づき、校舎から下駄箱に向かった。

 

‥下駄箱入口に着いて、一瞬時間が止まる‥

 

(えっ‥どういう事?‥)

 

‥ちょうど夕陽がかからない下駄箱の隅で田中と陸上部の後輩の女子生徒がキスしていた。

 

(はぁ?‥こいつ吉谷さんと別れたんか?‥いやそんな話聞いた事ない‥)

 

と真が心の中で色々考えていると田中が真に気づく‥それに続いてその女子生徒もこちらを向く。

‥女子生徒はハッと我に帰ったかのように顔を伏せたまま走ってその場から立ち去った。

 

下駄箱には真と田中2人だけになった。

 

真ゞ「‥オメェ何してんの?‥彼女おんのに!」

 

心の底から人を軽蔑した様な音量で言う。

 

田中ゞ「‥今からお前の親友さんの心潰しに行ってくるわ。」

 

真ゞ「‥お前何言うてんの?‥質問に答えろや!」

 

田中ゞ「‥何かあいつ俺の彼女にちょっかいばっかかけてるみたいやし‥帰宅部の分際でチヤホヤされやがって!マジムカつくわ見てて!」

 

真ゞ「‥マジお前何言うてんの?‥道は何も関係ねぇだろ!‥それはお前のただの嫉妬やんけ!」

 

しかし、田中は無言で真は張り倒し、体育倉庫の方へ歩いて行った。

 

(‥あいつ何するつもりなんやろ‥とりあえず早く追っかけないと‥)

 

と駆け出そうとした時‥

 

「‥ん?‥真君?」

 

ちょうど保健室の先生に声をかけられ‥

 

先生ゞ「‥えっ腕、血でてるじゃん!?」

 

(‥やばっ‥田中に倒された時にどっかで切ってもーた‥)

 

真はケガの治療の為、先生に保健室に連行されてしまった。

 

‥腕のケガの治療が終わった頃には既に下校の時間も過ぎていたので先生に「もう帰りなさい。」と言われたので教室に戻り自身のカバンを持ち、校門を出た。

 

‥ふと裏門の方に目を向けた瞬間、頭で考えるより体が動いていた。

 

真ゞ「‥おい!道どうしたん?」

 

道ゞ「‥‥‥。」

 

(‥やばい‥こんな抜け殻みたいな道を見るのは初めてや。‥田中何しやがった!)

 

道ゞ「‥真‥‥。」

 

今にも泣き出しそうな声で真に呼びかける。

 

真ゞ「‥ゆっくりでいいから何があったか話してくれ!」

 

道ゞ「‥吉谷さんと田中君がキスしてた‥」

 

(‥絶対、あいつわざと道に見せつけたに違いない‥道が吉谷さんに対しての気持ちが高まってる事を良い事に‥けど、これは彼氏彼女の関係なら当たり前やし‥別に問題ないし道もこの関係は十分理解してるし‥どうする事も出来へん‥)

 

 

ひとまず、真は道を自身の家に招き、道自身から「‥もう吉谷さんの事を諦める」と聞き、真自身これ以上、田中と関わらない方向に道を導く事にした。

 

 

‥真は田中が浮気をしていた事に対して、綾には絶対伝えなければならないと思っていた矢先‥。

 

 

‥(続く)

『出会いの形‥✨』−−真編

 

真は不意に呼び止められ声の方へ顔を向けた瞬間、頬に衝撃が。

 

真ゞ「‥‥っ、、、、、、、、、、」

 

数秒何が起こったかわから無かったが‥顔を上げると田中が拳に力を入れていた。

 

田中ゞ「‥真!お前何がしたいんじゃ!最近俺に対して冷たいし‥綾とあいつを2人っきりにしたりして!」

 

(こいつ、今さっきの一部始終を見てやがったか‥てか、シンプルにイテーわ)

 

真ゞ「‥はぁ?‥ただあの2人体育祭の実行員でチラシ作りにお互い苦労してたから‥‥」

 

田中ゞ「‥意味わかんねぇわ。」

 

と言い綾と道の元へ足を運ぼうとした。

 

田中ゞ「‥‥っ。」

 

咄嗟に真が田中の腕を掴んで2人の方に行かせないようにしていた。

 

真ゞ「‥チラシ作りの話してるだけやからお前には関係ねぇだろ?」

 

田中は高校1年生の時から真を見てきたがこんな眉間にシワを寄せ怖い顔をする姿を見たのは初めてだった。恐怖すら感じた。

 

真ゞ「‥とりあえず教室戻れや。道も吉谷さんとお前と付き合ってる事は分かってるから‥誰かさんと違ってクズみたいな考えなんかねぇから。」

 

田中ゞ「‥チィッ‥何かあったら許さねぇから。」

 

と言い少し苛立ちを見せながら田中はその場から去って行った。

 

(‥危ねぇ〜‥ここで田中があの2人の間に入っていったら確実に道ぶん殴られてたよな〜俺なんか瞬殺で殴られたし。)

 

‥その後、道から来週、綾と一緒にチラシ作りする事を聞き、真も同席する事になった。

 

 

 

−−−チラシ作り当日の放課後

 

‥あれから真と田中は一緒の部活で顔を合わせても一言も喋らなくなっていた。

 

真は今日のチラシ作りが無事に終わる事を心の中でずっと願っていた。

 

(‥チラシ作りの最中、田中が乗り込んできたらどうしよう‥たぶんあいつ今日の放課後、チラシ作りする事、吉谷さんから聞いてるだろう‥‥‥‥‥何かあったら俺が‥)

 

 

綾がいる教室に着き、真は綾と道がチラシ作りを暖かい目で見守っていた。

 

(‥何やかんやこの2人お似合いじゃん。‥とりあえず早く終わらせて‥)

 

 

道が色鉛筆を置き「あ〜終わった」と椅子の背もたれに身を任せ、作業が終わった事を確認し、真は2人の為にジュースを買いに教室を出た。

 

 

買いにいく途中、真は田中とすれ違った。

真は少し身を構える‥

 

田中ゞ「‥何もしねぇわ。」

 

真ゞ「‥‥っ‥。」

 

田中ゞ「‥あいつに言っといて‥綾は渡さねぇから。」

 

真ゞ「‥お前、吉谷さんの事好きじゃねのに何で付き合ってんの?」

 

田中ゞ「‥彼女っていう存在が欲しいから?‥お前もそうだろ?」

 

真ゞ「‥そんな気持ちで彼女なんか作った事ないから。‥ほんま吉谷さんが可哀想やわ!お前の飾りの道具として彼女になってるなんて‥あんな純粋で心の暖かい人はお前には勿体ないからさっさと別れろ!」

 

‥田中はそれを聞き、真の肩に自身の肩をぶつけてその場から消えた‥。

 

 

(‥あーマジでビビった‥近づいてきた時、また殴られるかと思ったわ〜。てか、あいつ背がデカいから威圧感有りすぎやねん。‥ほんまなんやねんあいつ‥)

 

 

真は3人分のジュースを買い、道と綾が居る教室に戻った。その後、田中との事は一切話さずその日は3人で帰った。

 

 

真は来月の体育祭であんな事が起こるとは今は1ミリも思っていなかった。

 

 

‥(続く)

 

 

 

 

 

 

『出会いの形‥✨』真編。

 

真はすぐにポケットから携帯を取り、画面をみる‥田中からLINEが1通届いていた。

 

真は田中からのメッセージを見て、すぐにポケットに携帯をしまった。

 

その一連の様子を見ていた道が‥

 

道ゞ「‥ん?どうしたん?」

 

真ゞ「‥いや別に、、、、、、、、、、」

 

道ゞ「‥はぁ?言えや。」

 

(道は何かを察したかのように俺に詰め寄ってきやがった‥)

 

真ゞ「‥また、今度言うわ。‥とりあえずお前これだけは言っとくけど吉谷さん彼氏おるんやからな。」

 

道ゞ「‥田中に何か言われたん?」

 

(察しが良いお兄さんやな‥けど、これは言って言いのかが分からない)

 

真ゞ「‥いや、何も言われてないけど。」

 

と目を晒す。

 

道ゞ「‥あっそ。じゃぁまた学校で!」

 

 

と言いスタスタと帰っていた。

 

真はもう一度携帯を開き田中からのメッセージを見る。

 

 

−−−−

お疲れ〜!

 

昨日、部活で言うてた俺の彼女に気ある子ってあいつやんな?

てか、たぶんあいつに前俺が狙ってた子取られたんやけど‥。そのせいでしゃあなし綾と付き合うはめになったんやからマジでウザーわ!

 

                  −−−−−

 

‥このクソみたいな内容に対して何て返せばいいのか分からない真。

あと、昨日、遂田中に道が吉谷綾に一目惚れした事を笑い話として喋った事を凄く反省する真であった。

 

 

 

−−数カ月経ち高校3年生になった真。

 

‥毎月行われる学年集会での事‥

 

(‥っ‥あんなけ吉谷さんには彼氏おるからって言うたのに‥道の奴どんなけあの子の事見てんねん‥はぁ〜どうしたもんかね?‥けど、数カ月前あんな事があったからな‥道は置いといて吉谷さんが可哀想だよな〜‥田中があんなクズとは知らず‥あー!一層の事、道の事好きになってくれたら一件落着なんやけどな‥ん?それが1番良いと思う!そうだ!これが正しい!)

 

という事で真は1人決意を固め、行動に移った。

学年集会が終わった後すぐに綾の元へ行き、会話の中で道との接点を見つけ綾と道が2人で喋れる環境を作り、その場を立ち去った。

 

 

しかし、体育館を出た瞬間、真は誰かに呼び止められた‥

 

 

‥(続く)

 

 

『出会いの形‥✨』〜真編。

−−道と遊びに行く当日。

 

(昨日の道の様子はかなりおかしかった‥最後はちゃかして終わったが‥たぶんあいつは吉谷綾の事が好きなんだろう。けど、道は相手の事をちゃんと把握するまでは付き合ったり、好きになったりはしない慎重な人間だと俺は思っているんだけどな〜)

 

と考えながら、準備していた。

 

 

‥昼食を食べ、街をブラついて、帰りのバス停で、、、、、

 

真ゞ「‥あ〜バス行ってもーた‥次、30分後かよ。」

 

道ゞ「‥オメェーが最後の店であんなけ服選びに時間かけたせいだろが!」

 

真ゞ「‥まあまあお兄さんそんなカリカリしなさんな。」

 

‥それに対して道が(はぁ?)みたいな顔をしていたら‥予期せぬ声が‥

 

田中ゞ「‥おっ真じゃん!」

 

 

(‥えっ田中と吉谷さんじゃん‥)

 

‥横目で隣の道を見る‥見るからにテンパっていた、、、、、、、、、、

その時、真は確信した‥道は吉谷綾の事が好きだと‥

 

真ゞ「‥えっ田中じゃん!‥デートとか羨ましい〜。」

 

とりあえず、いつもの感じで返す真。

 

 

田中ゞ「‥やめろやめろ。‥お前もカナちゃんといい感じのくせに!」

 

真ゞ「‥いやいや、あいつとは何もないって!」

 

‥と言いつつ内心とても動揺してる真であった。

 

(てか、それよりも隣でずっと挙動不審な道が気になって仕方ないわ、、、、、、、、、、もう話しかけろよ!)

 

と思っていたら‥田中が「じゃぁまた」と言い去って行った。

 

 

 

 

−−バス内で不意に道に話しかけられる。

 

道ゞ「‥真‥俺、吉谷さんを学年集会で見かけた時からずっとあの子の事が頭から離れないんだよな‥」

 

 

(えっそれって俗に言う恋って言うやつやん。‥昔からこいつどっか抜けてるんだよな〜‥)

 

真ゞ「‥そっか‥青春やな〜。」

 

道ゞ「‥えっ何その反応!?」

 

真ゞ「‥今更驚かんよ‥けど、彼氏持ちやで?」

 

道ゞ「‥‥‥っ‥。」

 

真ゞ「‥今、俺から言える事は田中と別れる事を願うしかないやろ?」

 

道ゞ「‥そうやな。」

 

‥その後2人は無言で停留場まで外を眺めていた。

 

‥バスを降りた直後、真の携帯がポケットの中で鳴った。

 

 

‥(続く)

 

 

 

 

『出会いの形‥✨』真編~

 

「‥あ〜眠い」‥1時間目の授業からそんな事をこぼす少年。

 

真。高校2年生。陸上部。道の親友。

 

真は毎日の朝練のせいでいつも眠い‥先生の言葉など子守唄にしか聞こえない‥

 

一応道とは小さい頃からの親友。

道とは違いいつも誰に対しても愛想良く異性だけではなく同性からも人気な少年。

顔は中の上だと周りから言われている‥ほんまかよ!っとツッコミたくなるけれども、、、、、、、、、、

 

けど、数ヶ月前に彼女と振られてたから女性に少し臆病になっていた頃‥

 

道ゞ「‥おい真!あの子知ってるか?」

 

と腕を掴まれて強引に窓際に引っ張られる‥いつも冷静な道がこんな慌てるなんて‥

 

窓からグランドを見る‥道が指差した子に目をやる‥えーと誰だっけあの子?知ってるし見たことはある‥‥あっ‥その時は名前は出なかったが‥

 

真ゞ「‥田中の彼女じゃん。」

 

その一言に道が固まる‥えっ何?‥明らかに動揺してる‥えっまさか?‥と思った瞬間‥

 

道ゞ「‥へーあんな子にも彼氏おるんや」

 

凄い歯切れの悪い言葉‥言葉に力がない。

その時、こいつ、あの子の事‥

 

そこから思い出したかのように彼女の名前と田中の事を伝えた‥

田中とは一緒の陸上部で毎日顔を合わせていてよく喋る友人の1人だった。

なので吉谷綾とも挨拶程度は喋った事はあった‥見た目は165cmあるかないかぐらいで女の子にしては少し高い方で髪型はセミロングで黒髪の凄い清楚な子であった。

背が高いが美人な感じはなく可愛い系な雰囲気な女の子。というイメージ。

 

 

 

 

 

 

‥(続く)

『出会いの形‥✨』あとがき。

 

こんにちは。この数週間、ご視聴してくれた方々本当にありがとうございましたm(_ _)m

 

 

‥あとがき

 

道は教室に戻るや否や真に駆け寄る‥

 

道ゞ「‥真!!ヤバい綾と付き合う事になった!」

 

真ゞ「‥はぁ?‥綾?、、、、、、、、、、えっ!?吉谷さんと?」

 

道ゞ「‥うん。‥田中君と3ヶ月前に大喧嘩して別れたらしい‥まぁー彼女の中で色々あったみたいで。。。。。」

 

真ゞ「‥ちょっと話が見えんけど結果オーライ?‥けど、ほんまおめでとう!」

 

道ゞ「‥マジ、お前のおかげやわ!」

 

と言い2人は抱き合いながらお互い涙ぐんでいた。

周りは「‥あいつらぁほんま仲良すぎて気持ち悪っ」などと言われていた事も2人には聞こえないぐらい感極まっていた。

 

 

‥(終わり)

 

一応これでこの物語のざっくりした内容はお終いですが近日中には「真」、「吉谷綾」にスポットライトを当てた違う角度から詳しく書いていこかなって思ってますので。よろしくお願いします。

『出会いの形‥✨』~🌸

 

---卒業式当日の朝---

 

道ゞ「‥あー遂にきてしまった‥はぁ~」

 

道は昨日の夜からどうやって告白しようかと考えていたらもう朝になっていた‥

そもそも何て伝えよ‥。

 

考えれば考える程、答えなんか見つからない。

 

 

 

---卒業式が始まった‥

‥周りは泣いてる奴も居れば、ソワソワしてる者がいる異様な雰囲気だった。

 

‥道は卒業式など、どうでも良かった‥もっとビッグイベントが迫っているからだ。

一応、朝、真ともう1度話し、卒業式終わった後数時間、自由時間が設けられている‥そこで人気の少ない中庭に呼び出し伝えるという作戦にする事が決定した。

 

朝、真が見てる前で吉谷綾にLINEで‥‥‥‥‥

「‥いきなり、申し訳ないけど卒業式、終わったら中庭に来てください。」

と送った、、、、、、、、、、

 

----数分後

 

「分かりました。」という綾から返信があった‥

 

‥心臓がはちきれそうだった。

その様子を見ていた真が‥

 

真ゞ「‥今日、最後やぞ‥」

 

と道にしか聞こえないそよ風のような音量で言った‥

 

 

 

---卒業式終了。

 

‥ぞろぞろと卒業生、在校生、保護者などが体育館を去る中、道は中庭へ走っていた。

 

道が体育館を出る直前、真に腕をガッと捕まれ‥

 

真ゞ「‥教室で待ってるから。」

 

と笑顔で道を勇気付けるかのように送り出してくれた!

 

‥ありがとう真。

 

 

‥やはりまだ、3月という事もあり外は、凄く寒かった‥

 

今、綾を中庭で待ってる‥あー寒い‥カイロを手の中でカシャカシャと温めている‥‥あっ‥

 

吉谷綾が小走りでこっちに向かっていた‥なんか少し俯いてる様だった。

 

綾ゞ「‥ごめん待たせちゃって!」

 

道ゞ「‥いや、俺の方こそこんな寒い中呼び出してごめん。」

 

綾ゞ「‥それは全然平気だけどどうしたの??」

 

‥フーと一息付き、数秒間を置き言葉に想いを込める。

 

道ゞ「‥吉谷さんには彼氏がおる事は分かってて伝えるけど‥‥‥‥‥最後まで聞いてほしい。‥初めて見かけた時から今この時も好きです!」

 

‥何か心の中で引っかかってた物が解けていた。‥あーこんな事言われても困るよな‥ここにきてめちゃくちゃこの場から去りたい言動に駆られたがとりあえず綾の返答を待つ‥答えは分かっているが‥

 

綾ゞ「‥‥‥‥。」

 

‥沈黙‥あーやばいいきなりこんな事言われてめっちゃ引いてるやろな‥。とりあえず道が言葉を出す‥

 

道ゞ「‥ごめんこんな事いきなり言われても困るよね‥今日、吉谷さんと会えるの最後だし『好き』っていう気持ちだけでも伝えたかっただけだから。」

 

‥こんなんただの自己満だよな。

 

 

綾ゞ「‥‥‥?」

 

‥ん?何か綾の様子がおかしいぞ‥俺をずっと見て「それで?」みたいな顔で見てくる‥えっどないしたらええの?と少しパニックになる‥

 

‥クスクスと、綾が笑い出す。

 

 

綾ゞ「‥私も好きだよ。」

 

 

道ゞ「‥えっ?。」

 

‥道は(気持ちは嬉しいけど彼氏がいるからごめんなさい。)って言われる想定だったので思考回路が停止する‥

 

 

綾ゞ「‥私の事は好きだけど付き合ってはくれないの?」

 

‥はい?この子は何を言うてるだ?‥

 

道ゞ「‥いや、けど吉谷さん田中君と付き合ってるんやろ?」

 

綾ゞ「‥3ヶ月前ぐらいに別れたよ。‥」

 

‥えっ何この展開、まさかの両思い?

 

道ゞ「‥えっほんまに?」

 

綾ゞ「‥うん。‥私も道君の事想ってたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥中庭の桜の木の下で道は綾を抱きしめていた。

 

道ゞ「‥俺と付き合ってほしい。好きだよ。」

 

綾ゞ「‥はい。‥私も好きだよ。」

 

と道の背中に手へを回し抱きしめ返した‥

 

 

--桜の花びらが道と綾を包んでいた。---

 

 

 

 

‥(完)