『出会いの形‥✨』🌸3
−−翌日。
綾は昼過ぎに昨日待ち合わせのバス停にいた。
(‥あれっ‥もう待ち合わせ時間過ぎてるのに全然来ないな〜‥)
−−−1時間後。
(‥えっ流石に連絡した方がいいよね?‥とりあえず「‥大丈夫?」とLINEを入れとこ‥何かあったのかな〜?)
−−−1時間後
綾の携帯が鳴る。‥田中からのラインであった。
−−−
ごめん。寝坊してもーた!すぐ準備して行くから待ってて!
田中
−−−
と返信が帰ってきた。
(‥あー良かった!‥何かあったのかと思ってたから‥けど、もう夕方ぐらいになっちゃうな〜はぁー‥)
それから30分後に田中が現れてバスに乗り、町に出掛けた2人であった。
‥途中で田中の友達の真と道に会った。
(‥真っていう人は田中君と同じ陸上部だから知ってるけど横にいる人は校舎で見かけた事はあったけど‥この人やっぱりめっちゃ顔怖いな〜‥けど何でこんな挙動不審なんだろう?‥変な人。)
2人に対して軽く会釈して綾と田中は街に消えて行った。
−夜ご飯を食べる為、少し空いてた喫茶店に入ってご飯を食べる最中‥
綾ゞ「‥田中君と真さんって凄い仲良いんだね?」
田中ゞ「‥まぁー部活も一緒だし‥。」
綾ゞ「‥そうだよね‥横にいた人は知ってる人?」
田中ゞ「‥知らね。」
といいつつ眉間にシワを寄せる田中。
その様子を見逃さなかった綾だった。
綾ゞ「‥てか、最近全然一緒に帰ってくれないけどそんなに部活忙しいの?」
田中ゞ「‥まぁー大会近いからな。」
(‥もう、大会は先月に終わってるのに‥てか、凄い帰りたそうにしてるけど私と居て楽しくないのかな?‥今日もめっちゃ遅刻してくるし。‥前、テニス部の子と仲良く話してたし‥はぁー)
田中ゞ「‥じゃぁもう帰ろか。」
と立ち上がり早速さと会計を済まし店を出て行く田中。‥それを必死に追いかけてる綾。
もう春だと言うのにこの2人の間はまだ氷点下の気温が続いていた。
田中は昨日の夜、あのテニス部の女の子と朝方まで電話していた事で今日のデートに遅刻した。
‥(続く)
『出会いの形‥✨』🌸2
(‥うわっどうしよ‥テンパっていきなり言っちゃった‥)
田中ゞ「‥別にいいよ。」
頭をかきながら少し違和感のある感じがあった。
綾ゞ「‥えっほんとに?」
田中ゞ「‥うん。‥G組の子だよね?‥前から可愛いなって思ってたんだよね。‥宜しく!」
軽く微笑む田中と困惑する綾。
田中ゞ「‥あっ‥ごめん。俺もう部活戻らないといけないから!」
といい綾と連絡先を交換して田中は教室を後にする。
(‥えー‥嘘でしょ?‥夢かもしれないから頬つねってみよ‥イタっ‥現実じゃん!ヤバいヤバい!‥やっぱり、田中君カッコいいな〜)
と体をクネクネさせながら余韻に浸っていた。
−−−
その日から時間が合えば放課後一緒に帰ったり、ほぼ毎日のように連絡を取るようになっていた。
綾にとって凄い幸福な時間であった。
−−
付き合い始めてから2〜3カ月程経ったある日の放課後。
田中ゞ「‥明日、休みだけでどっか遊びに行かへん?」
綾ゞ「‥うん!いいよ!」
田中ゞ「‥じゃぁー明日昼ぐらいにいつものバス停で!」
といいお互い部活に向かって行った‥
(‥あー行っちゃた‥今日、部活終わったら一緒に帰りたかったのに〜‥まぁー明日デートだしいっか。‥)
綾は田中と付き合い出して田中の違和感に少しずつ気づき始めていた。
‥(続く)
『出会いの形‥✨』🌸1
−−高校2年のセミが鳴き始めた頃‥
「‥好きです。‥私と付き合ってください。」
「‥‥。」
‥静まりかえった教室で1人の女の子の声が響いた。
物静かでどこにでも居そうな普通の女の子‥
吉谷綾。
それは、本人も自覚しており、けど何故か人が寄り沿ってくる不思議な女の子。
昔から祖母が書道の先生をやっていた事もあり、小学生の時から書道を習っていた。
今現在も学校の書道部の部員のひとりである。
−−高校入学時から書道部の部室からグランドをいつも見ていた。
自分とは違いその人は凄く輝いていた。
走ってる姿がとても綺麗だった。
何より自分とは違い、いつも笑ってる人。‥気づいたら好きになっていた。
けど、その人には好きな人がいると噂で聞いた‥私なんか‥
‥けど、断られても‥人生で初めて好きになった人だから。
‥決意が固まるまで1年ぐらいかかった。
高校2年の夏休み前のある日、綾は友達に頼んである男の子を放課後の教室に呼び出して貰った。
教室に現れた男の子に綾は頭が真っ白になり、現れるや否や‥
綾ゞ「‥好きです‥私と付き合ってください。」
田中ゞ「‥‥。」
‥(続く)
『出会いの形‥✨』〜あとがき。
昨日無事に真編の話を書き終える事が出来ました(ー ー;)〜あー疲れました(笑)
けど、色々ここはこうしよとか考えて物語を書いていく事は凄く面白かったです(^^)
まぁー真みたいな親友がいたらこの世の中、どれだけ素晴らしいことか‥(-_-)
‥今度は物語の1番のキーマンである綾について書いていきますのでどうかよろしくお願いしますm(_ _)m
『出会いの形‥✨』真編~卒業🌸
−−卒業式当日の朝の教室。
クラスメイトは仲の良い友人と写真を撮ったり思い出話に花を咲かせている中、ある2人は深刻な面持ちで携帯を凝視していた。
道ゞ「‥真‥何て吉谷さんに連絡したらええやろ?」
真ゞ「‥ん〜‥もうストレートにどこどこに来てくださいで良いんじゃね?」
道ゞ「‥バリ適当やんお前!」
真ゞ「‥いや、もうそれしかないやろ?‥てか、何か回りくどい言い方はキモいやろ?」
道ゞ「‥まぁーそうか‥とりあえず卒業式終わった後、中庭に来てくださいでええか?」
真ゞ「‥これで無視されたら終わりやけど‥とりあえず送ってみたらそれで!」
‥指を振るわせながら文字を打つ道。
−−数分後。
綾から返事が帰ってきた。
「‥分かりました。」
道と真は少し一息つく。
(あーこれで返事帰ってこんかったらマジでどうしよって思ってたけど第一段階クリアやな‥あとは道次第やな‥。)
−−卒業式
(‥何かあっという間な3年間やったな‥これ終わったらほんまに皆んなとお別れか‥寂しいね〜‥けど、何やかんやあと5年、10年経てば凄い良い思い出として残っていくやろな。‥まぁーあとは道の件が上手く着地してくれたらな〜)
とほとんど可能性の低いモノをまだ祈っている真であった。
−−卒業式終了後。
道が走り出すのを見た真はすかさず道の腕を掴んだ。
真ゞ「‥教室で待ってるから。」
と涙目で強く道に訴えかけた。
‥先に教室に戻った真は他の生徒から一緒に写真を撮ってくれなどといった卒業生特有の行事に埋もれてしまい道の事を考える暇も無くなってしまった。
−−−30分後。
やっと落ち着き、真は自身の席に戻り少し休憩していた時‥突如、道が教室に現れた。
真は「おっお疲れ」と道に声をかけようとしたが道から驚きの言葉飛び込んできた‥
道ゞ「‥真!‥綾と付き合う事になった!」
(‥ん?‥こいつは何語を喋ってるんや?‥綾と付き合う?‥ん?‥どういう事や?‥パニック。‥‥‥てか、えーーーーーーーーーーーーーー!嘘やん、、、、、、、、、、)
真ゞ「‥えっほんまに?」
道ゞ「‥うん!」
(‥こんなキラキラした目で言うてるからほんまか‥けど、ほんまにえーーーーーーーーーーーーーー!なんですけど、、、、、、、、、、)
真は道から綾が数ヶ月前に田中と別れた事も聞いた。
‥思ってもみない展開になった事に最初は困惑していたが最後は道と抱き合い一緒に涙を流し喜んだ。
高校3年間最後ステキな思い出が出来た真であった。
‥(終わり)真編。
『出会いの形‥✨』‥卒業式前日。🌸
−−現在真の部屋。
卒業式前日という事もあり、真は道を自身の家に招いていた。
‥真は道と綾が出会った事が意味のないものにならない様にと。
自分でも今からする事に対して軽蔑もするし絶対やってはいけない事とは十分認識した上で行動に移った。
(あー道何て言うやろ?‥けど、あいつはまだ‥‥。)
真ゞ「‥道!お前まだ吉谷さんの事好きなんやろ?」
道ゞ「‥‥っ‥‥。」
(‥やっぱり‥もう突き抜けてこい!)
真ゞ「‥明日、自分の気持ちだけでも伝えろや!」
‥そこから道とは何を話したかはあまり覚えてないが道が明日、綾に想いを伝える事だけはしっかり真の心に残っていた。
道ゞ「‥何か色々ありがとな!‥また明日!」
と言い真の家を後にした。
‥道が居なくなって異様に殺風景になる部屋に1人ポツンと立ったたままの真。
(‥あいつ‥‥ほんまにこれで良かったんか。‥)
(‥もっと早く吉谷さんと出会ってたら‥。)
もっと違う形になって花を咲かせていただろう。
‥(続く)
『出会いの形‥✨』〜真編。
−−次の朝の事。
真は部活の朝練の為に部室で着替えてる時、部室の建物の裏手から誰かの声がした。
綾ゞ「‥いい加減にして!‥もういい!」
といい走り去る音だけが残っていた。
(顔は見えないがこの声は吉谷さんだ。‥誰と喋ってたんだろう?‥)
と考えていると田中が部室に入ってきた。
(えっまさか吉谷さんといたのってこいつ?‥凄い喧嘩してたよな‥浮気がバレたのか?‥てか、バレろ!まぁー俺が言うつもりだったからどっちでもいいけど。)
しかし、田中の様子を見ていたら明らかに綾に振られた感じだったので真は少し様子を見る事にした。
その日から数日経ち、、、、、、、、、、
−−高校最後のビッグイベント球技大会当日。
真ゞ「‥よっしゃー!皆んな今日は死ぬ気で戦え!!」
クラスメイトゞ「‥いや、俺らぁのクラス、野球部いないから無理っしょ。」
道ゞ「‥‥ですよね。‥一応、俺と真は経験者だけど‥。」
真ゞ「‥俺と道で十分や!‥あと何人かも経験者はおる!」
‥かなり張り切ってる真に対して道をはじめクラス全員が半ば諦めていた。
と思っていたが未経験者が1人もいなかった事が幸いし、決勝戦まで行き、見事準優勝という誰もが予想していなかった結果で終わった。
真ゞ「‥‥あー最後とかなんでくじ引きで勝敗決めんねん!‥絶対延長戦になってたら勝ててたー!」
と喚き散らしている真をクラス全員で胴上げしていた。
−−
その日の夜、ベットの上で天井を眺めながら真は考え事をしていた。
‥真はこの球技大会中、綾が道の打席の時は必ず見に来てた事を知っていた。
(‥吉谷さん田中と別れたんかな〜‥毎回、道の打席になるとわざわざ体育館からグランドに来てたよな?‥けど、まだあの2人付き合ってるみたいな事を他の奴が言ってたのを聞いたんやけど‥‥‥‥もし、吉谷さんが道の事を‥‥)
真は自分が出した答えを変える事にした。
‥(続く)