『出会いの形‥✨』#"

 

--年が明け、新しい時代が幕を明ける--

 

道も無事進路が決まり、あと2ヶ月程で人生の中の高校生活が終わる時を静かに待っていた。

 

 

--卒業式1ヶ月前--

 

周りはもう卒業式とソワソワしている中、道はいつものようにあーダルっと言いながら授業中窓から殺風景な運動場を眺めていた‥

 

道ゞ「‥あん時もこんな感じで眺めてたな〜」

と約1年前の出来事を良い思い出かのように心の中で浸っていた。

 

‥(また、あの子みたいな子に出会えたら)

 

 

その日から時間は無常にも加速していく‥

 

 

 

 

--卒業式前日--

 

‥道は放課後、真の部屋にいた。卒業後、道は地元から離れた学校に行き、真は地元の会社に就職する事が決まっている‥

 

道ゞ「‥真!何かこうして喋れるんも今日で最後かもな‥」

 

真ゞ「‥まぁーお互いこれから時間作るん難しくなるもんな‥暇になったらお前んとこ遊びに行ってやるよ!」

 

道ゞ「‥何でそんな上からやねん‥まぁーまた遊びにきて!」

 

や、小学校の時などの思い出話を喋っていた‥

ふっと真が思い出したかのように口を開く‥

 

真ゞ「‥お前、吉谷さんとはもう連絡とかも取ってへんの?」

 

不意の言葉に一瞬固まる‥

 

真ゞ「‥何か、お前負けず嫌いやから何やかんや田中から奪い取るかなって思ってたけど。」

 

と冗談交じりではあるが冗談には聞こえなかった‥

 

道ゞ「‥はぁ?そんなクソな事せんわ!」

 

とは言ってみたけど心の中では何が引っ掛かっている、、、、、、、、、、

 

真ゞ「‥まっそうやろな‥‥‥けど、まだ好きなんやろ?」

 

‥(はぁ?んなわけねーわ)とは不思議と1ミリも思ってない自分がいた。

 

真ゞ「‥おい‥図星かよ‥‥お前すぐ何か隠そうとする時、目晒す癖出てるぞ。」

 

道ゞ「‥‥‥。」

 

‥こいつには敵わんわ‥

 

道ゞ「‥正直言うと好きとかの感情なんかは分からんけどあの子と出会ってからあの子の事を考えなかった事がないねんな‥」

 

‥真はそれを聞きいきなり笑い出した。

 

真ゞ「‥お前、吉谷さんの事めっちゃ好きやん!‥出会った時からって‥やばお前!」

 

道は軽く真を叩き‥

 

道ゞ「‥まぁーけど、明日で終わりやから。」

 

それを聞いて、真がいきなり真面目な顔になり衝撃の一言を放つ。

 

真ゞ「‥道!明日最後なら吉谷さんに自分の気持ちだけでも伝えろや!」

 

‥えっ?、こいつは何を言うてんや‥そんな事やっても答えは1つしかないのに‥

 

道ゞ「‥いや、フラれて終わりやろ。てか、彼氏おる子に告るとかやばい奴やろ?」

 

真ゞ「‥別に付き合ってくれって言わずに好きでしたっていう気持ちだけ伝えたらええやん!‥自分の気持ち伝えずにお前は終わってええの?‥気持ち伝えずに諦めるなってお前が俺に言ってくれた事、今そのまま返すわ!」

 

‥真の言葉が痛いほど心に染み渡る‥

 

真ゞ「‥道!‥自分の気持ち相手に伝えん方がめっちゃかっこ悪いわ。」

 

と暖かい目で訴えかけてきた。

 

 

道ゞ「‥分かった‥明日最後やし伝えるわ。」

 

 

‥道は彼氏がいる女の子に自分の気持ちを伝えるという前代未聞の事を決意した。

 

自分が死ぬ程傷つく事を分かっているのに心の中で明日が早く来る事を願っていた‥

 

 

 

‥(続く)11